「志望企業の研究領域」と「自分の専攻」が異なっていても諦める必要がない理由【十分アピール可能です】

就活準備2019年12月4日

こんにちは、企業研究職のくりぷとバイオ(@cryptobiotech)です。

前回(第3回)『企業研究の方法』に関してお伝えしました。

第4回はよくご質問いただく『専攻違いの企業に行きたい場合はどうすれば良いですか?』にお答えする内容になります。

結論から申し上げると諦める必要は全くなく、むしろ研究内容がマッチしてない方が内定は獲りやすいのではと思うほどです(主観ですが)。

当記事を読んでもらえれば受けられる業界の幅を広げ、かつそれら業界でもしっかりアピールできるようになりますよ。

どうぞご覧ください。

「志望企業の研究領域」と「自分の専攻」が異なっていても良い理由


私が『志望企業の研究領域』と『自分の専攻』が異なっていても全く問題ないと考える理由は以下の通りです。


■ 入社後は研究室時代と全く異なるテーマを担当する場合があるから【実体験】     

■ 自分の研究内容と合致する企業だけ受けるとむしろ受からない説が濃厚だから
【自ら狭き門に進むのと同義】

■ 企業は「自社にいない人材が欲しい」と思っているから【多様性の時代】

順々に説明しますね。

 

▼ 入社後は研究室時代と全く異なるテーマを担当する場合があるから【実体験】


企業を経験した人なら『あるあるだね』と言ってくれると思いますが、入社後は“予想外の部署”に配属されるケースがあります。

実際に私も、

「こんな研究領域を担当するとはさすがに想像していなかった…」

「大学で積み上げてきた知識が使えない…」

という部署に配属となっております。

ゼロからのリスタートですね。

 

さて、あなたが考えているように『研究内容がマッチしていない学生は内定が獲れない』が真実なのであれば、私が内定をもらったのはおかしいと思いませんか?

研究内容がマッチする学生だけを採用するのであれば、私は学生時代と近い研究領域を担当していたはず。

それか内定は出ていないですよね。

この『分野が違っても内定が出る現象』を経験した知り合いを何人も知っていますので、決して私1人だけの奇跡ではないことを念押ししておきます。

僕もそうだったので気持ちはよくわかりますが、『専攻が違う=企業から興味を持ってもらえない』は嘘っぱちです。

誰かはわかりかねますが研究内容がマッチしていないとダメ説』を最初に流布した人は相当な大罪人だと思います笑

自分の研究領域が企業とマッチしていなくても内定を獲ることは十分可能ですよ。

 

▼ 自分の研究内容と合致する企業だけ受けるとむしろ受からない説が濃厚だから【自ら狭き門を選ぶのと同義】

私も学生時代は勘違いしていたのですが、『研究内容がマッチする企業=内定が獲りやすい企業』だと思っていました。

でも実際に全く関係ない研究領域を企業で担当することになり、『それは本当に真実なのだろうか?』と今では懐疑的です。

むしろ研究領域が合致する企業だけ受けるのは危険だと思っています。

というのも例えばあなたが「酵母発酵」を研究していたとして、その経験から「食品業界」に特化して就活するとしましょう。

専門性はかなりマッチしているので無難かつ有利な選択肢に見えるかもしれません。

でもあなたと同様のバックグラウンドを有するライバルも当然いるわけで、同業界を志望してくる人は非常に多い…。

ただでさえ食品業界は人気ですし、かつ研究職に限って言えば募集も少ないため、わずか数人~数十人の採用枠を数千人・数万人が奪い合う壮絶な椅子取りゲームになります。

同じような人財が集まると『業績・スキル・学歴』などで決まってしまう可能性も高まるため、極めて優秀な人しか採用されない可能性も。

(冗談抜きで就活全滅のリスクがあります)

それゆえ就活全滅のリスクを軽減するという意味でも、研究領域が異なる企業も攻めた方が良いですね。

後述しますが、それは結果的に自らの可能性を広げることにもなると思います。

 

▼ 企業は「自社にいない人材が欲しい」と思っているから【多様性の時代】


これは企業人としての意見ですが、企業は『今いる社員と同じスキル(≒知識やスキル)を持つ就活生』をあまり採用したがらない傾向にあると考えます。

その理由は『今いる社員の方が就活生よりその分野でキャリアを積んで実力を持っているから』です。

『すでにいるんだから、わざわざ新しい人を採用しなくても…』というイメージ。

前項で説明した『自分の研究内容とマッチした企業だけを受ける弊害』はここにあるかなと。

 

特に今は『多様性の時代』なので、同一のスキルを持つ人財を積極採用したがらないというのは感覚的にご理解いただけるはず。

企業は今、自社に無いスキルを有する人財を心から求めています。

今の時代は『優良企業ですら5~10年後にどうなるのかわからない』ですし、『多分野が入り混じる異種格闘技のような世界』になりつつあります。

これは例えば自動車業界でいうと、かつてはトヨタ(自動車)とメルセデス・ベンツ(自動車)が争っていたのに対し、今はトヨタ(自動車)とGoogle(IT)が覇権を争っていますよね。

さらに例を挙げると、今や製薬企業が『アプリ開発』に力を入れたり、IT企業が『病気の早期検出法』を開発したりする時代です。

 

すなわち『自社にいるような人財』だけ採用していては企業が生き残れない時代になっていて、だからこそ『研究内容がマッチしていない学生』にはニーズがあります。

『マッチしてないから諦める』という考え方は時代と逆行していますよ。

 

自分の専攻とマッチしていない企業に「この学生は良いね!」と思ってもらう方法

とはいえ『じゃあ専攻違いの企業に興味を持ってもらうにはどうすればいいの?』と、あなたは気になっているのではないでしょうか?

そこで当記事では『研究内容がマッチしていない企業にアプローチして興味を抱いてもらう方法』を解説しますね。

研究職・研究開発職を志望していた私が意識していた内容にはなりますが、大きく2つあるので順々にお伝えいたします。

 

自分のテーマは志望企業と合致していないという「思い込み」を無くす【調べてみよう】

まず『自分のテーマは志望企業と合致していない』という思い込みを捨てましょう。

これまでに何人もの就活生から『自分のテーマは御社と全く関係ないのですが…』とOB訪問で言われてきましたが、それは合致していないのではなく『合致していることに気付いていないだけ』です。

 

例えば先ほどの『酵母発酵の研究をしている就活生』について考えてみましょう。

この学生は『酵母発酵』という経験を活かして『食品業界』を志望すると思いますが、大事なことは“あえて”別分野に目を向けて、自分の研究内容を“強制的に”組み合わせてみることです。

例えば化学業界に、製薬業界に、もっと大きく外して宇宙業界に『酵母発酵』は不要でしょうか?

『酵母発酵』を『生物の力を借りて何らかのモノを生産すること』と抽象化して考えると、化学業界は『化合物やポリマー』を生産しています。

製薬業界は『医薬品』を、宇宙業界は『宇宙食(食品)』を生産しています。

 

なら酵母はそれらの生産に使うことはできませんか?

酵母は食品分野に応用されるだけの存在ではないのでは?

私は酵母の専門家ではありませんが、上記の可能性を試しに調べてみると以下のような情報が出てきますよ。

麹菌・酵母菌を活用しバイオマスからバイオエタノールやバイオプラスチック原料を生産
酵母を用いた生物製剤の製造戦略(英語論文)
酵母を利用して宇宙で人間の尿成分から栄養素を生産させる(英語記事)

上記のような情報を知れば、食品業界以外にも『酵母発酵』をアピールできる業界がたくさんあると思いませんか。

むしろ酵母発酵が今まで活用されていなかった業界の方が、これから酵母発酵技術が盛んになると思いませんか。

 

このように『自分の研究は○○分野にしか使えない』という思い込みをまず取っ払ってください。

この思い込みを除去することで色々な企業に興味が持てるようになりますし、かつ研究の応用先を増やす思考』が身に付くようになりますよ。

 

企業が興味を持ってくれるような情報をES・研究概要に載せる【やりすぎNG】


前項で述べたように『受けられる企業はこの業界しかない』という思い込みを破壊してもらった後は、実際に別業界の情報を調べましょう。

例えば酵母発酵研究をやっている就活生が化学業界を受けるとしたら、例えばまずバイオエタノール・バイオポリマー生産に力を入れている企業を探してみます。

そして目星の企業があったら第三回の記事を参考に企業研究を実施して、ESや研究概要に『ちょっとだけ』関連情報を載せます。

以下は例です。

なおあなた本来の研究内容とズレないよう盛り込みすぎにはお気をつけて。

Qあなたの研究概要について説明してください(400文字)

バイオエタノール・ポリマー生産にも活用されている食用酵母を用いて、新規△△(食品成分)の発酵生産研究を行っている。

(中略)

今後の予定としては、△△の生産効率をさらに高める。また現在、次世代バイオプラスチックとして期待されている□□の生産に関するテーマも検討中である。

上記のように『相手が興味を持ちそうな表現』をほんの少し加えてあげるのがコツ。

『面白そうな研究をしているな』と思ってもらうためには、相手が欲する情報を予測して提供することが大事…!

ただし当然ですが「検討する予定もないこと・経験したことがないことを書くこと」は嘘になってしまうのでNG。

 

あと上記の『別分野に興味があります感』に説得力を持たせるために、自己PRなどの別設問で『AとBを組み合わせて新しくCを生み出した経験あり』というエピソードも記載するとGOOD。

(注:これは研究に限らないです。スポーツでも芸術でもエピソードは何でも可!)

 

もしかすると『こんな相手に合わせたやり方は卑怯だ』と思われる就活生もいるかもしれませんが、そう思う就活生はむしろご自身のテーマの将来性を潰していますね。

食品研究をしている人間が、製薬業界でやれそうなテーマを考える。
食品研究をしている人間が、化学業界でやれそうなテーマを考える。

こういった発想はこれから先が読めない世界では極めて重要です。

特に修士・学士は博士よりも研究内容が重視されない分、こういう柔軟な発想力を磨くべきだと思います。

 

結局のところ企業は「この学生はどんな研究をしてきたか?」ではなく「この学生はどのように研究に取り組んできたか?」を評価します。

別業界でも選考で見られるポイントは基本的に変わらないため、だからこそ専攻が違っても諦める必要はありません。

自分で志望業界を絞りすぎると苦しくなるので、どんどん視野を広げてチャレンジしてもらえればと思います!

その行動は同分野のライバル就活生との差別化に繋がりますし、就活が成功する確率がグッと高まりますよ。

ぜひ『別業界の企業に行くにはどうしたら良いか?』を脳から汗が出てくるまで考えてみてください…!

『無理だ』と思う状況から抜け出せたらビッグチャンスが待っていますよ。

 

というわけで第4回の内容は以上になります。

ご一読ありがとうございました!

 

次回は『エントリーシート(ES)』に関する内容をお伝えします。

次回もお楽しみに!